パーフェクトティーチャー
貴重な日曜日。


わざわざ空港へ見学に来るなんて、いったいどんだけ暇なんだよ。


ほたるが心の中で吐き捨てる。


「ねえねえ。
私、この空港のことたいてい知ってるから、案内してあげるね」


山上が氷室の手を引っ張り、ずんずん前を行く。


ほたるも早足で続いた。


ハンバーガーショップやカフェなどの飲食店、おみやげの売店などが左右に広がる。


特に目的もなく、ブラブラ歩いてる様子である。


ほたるの異様な外見に、すれ違うガードマンの目が釘付けになった。


マスクにサングラスという格好はどう考えても怪しい。


その都度、ゴホゴホと咳をして病人を演じないといけなかった。


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