パーフェクトティーチャー
背格好や雰囲気が理事長と校長に似てると感じた。


けど、他人の空似にきまってる。


あの二人がこんなところにいるはずないもの。


今頃、どこかで誰かと、のんべんだらりとした週末を過ごしてるに違いない。


ほたるはそう高をくくった。


「あーあ。
こんな遠くまでつれてこられて迷惑だよ。
おかげでスイカの残金がなくなっちゃったよ」


立ったまま、疲れて棒のようになった足をマッサージしながら独り言をつぶやく。


すると、あろうことか、長椅子の二人が只ならぬ雰囲気になっていた。


山上が氷室の手を握り、耳元に向かって何やら話しかけている。


ほたるは凝視し、口の動きを読んだ。


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