パーフェクトティーチャー
ほたる自身も何が起こったのか、理解できなかった。


それ以上に不思議がってるのが氷室だ。


助けを求める山上を無視し、何度も首を捻ってる。


「おかしいなぁ。
なんでボク、山上先生にあんな変な気持ちを抱いたんだろう・・・」


やがて立ち上がると。


「まあいいや」といって、すたすたと改札に歩き出した。


「ちょっと氷室先生、急にどうしたのよ。
ひどいじゃない」
そう叫ぶ山上の言葉はもはや、耳に入ってなかったらしい。


向かいの長椅子では中高年男女が、


「これで一安心ですね」


「町田さんのおかげだわ」


などといって、額の汗を拭いてる。


ほたるも釈然としなかった。


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