パーフェクトティーチャー
月曜日。


校門を出たほたるは、肺いっぱいに大きく息を吸い込んだ。


けれどもそれはすぐにため息へと形を変えて吐き出されてゆく。


安物の腕時計がさす時間は午後4時。


鉛の靴でも履かされているかのような重い足取りで、ほたるは校舎を後にする。


空を見上げると、雲がオレンジに染まる準備を始めている。


地上では、早くも鳥たちが今夜のねぐらを探しに飛び立ち始めていた。


後ろで女子生徒たちのはしゃぐ声が聞こえる。


まったくうるさいなー。


授業から解放されて嬉しいのはわかるけどさ。


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