パーフェクトティーチャー
ほたるは制服のネクタイをずらしながらバス停までの道を黙々と歩いた。


美容室のお姉さんには悪いけど、完全無視だ。


ビラを受け取る気分になんてなれないもの。


かすかな風を頬に感じながら信号待ちしていると、誰かがほたるの肩を叩いた。


振り返らなくても匂いでわかる。


クラスメートの水樹美里だ。


「メアド変えたでしょ?」


八重歯をのぞかせながら美里が自慢の小顔を近づけた。


機嫌が悪いはずなのに、気分がムカムカするはずなのに、彼女の顔を見ると心が落ち着くのはなんでだろう。


ほたるは不思議に思う。


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