パーフェクトティーチャー
「じゃあ再会のしるしに久々にお茶でもしよっか」


ほたるは何も答えてないのに、美里はそそくさとガラス張りの店のほうへ歩き始める。


渋々あとを追うほたる。


結局、なかば強引にファーストフードの二階に引っ張られた。


「最近のほたるったら、ものすっごく無口になったじゃん。
別人みたいじゃん。
心配じゃん」


美里は驚異の「じゃん三連発」を見舞うと、たいして心配でもなさそうな顔で、ストローで氷をもてあそびはじめた。


「なんで私が暗いか、理由を教えてあげようか?」


ほたるがいう。


「うん。
是非教えてほしいもんだわ」


美里はストロー遊びに飽きたのかテーブルに両肘をつくと、猫のような目をこちらに向けた。


黒目の多い瞳がキラキラと輝いている。


口元に浮かべた笑みはワイドショーの芸能レポーターっぽく見える。



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