パーフェクトティーチャー
「本物?
そりゃー、本物を飼えるならそれに越したことはないけどさあ・・・」


「コメンテーターが言うてたで。
そのうち、繁殖が進んで、一家に一匹の時代がやって来るって」


「ホントかな」


「ホントや。
今朝のワイドショーで言うてた。
あーあ、はよう、飼える時代がけえへんかなー」


「楽しそうだね・・・」


ほたるはチョウチンモモンガを手のひらにのせる自分自身を想像してみた。


数秒後、ひとりほくそ笑んでいた。


絵として相当、いや、かなりかわいい。


チョウチンモモンガ込みの自分を氷室が見たら、いくら堅物の彼でも落ちるんじゃないか。


『月越くん、前から薄々気づいてたけど、キミはかわいいよ。
チョウチンモモンガに負けないくらいキュートでコケティッシュだよ』


などと氷室にちやほやされる日が来るんじゃないか。


そんな妄想に浸っている間に優奈は早くも次の話題に移っていた。


女子高生の話のネタは秋の空以上にコロコロと変わるものである。



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