パーフェクトティーチャー
翌日の放課後。


校門の外には大きな人だかりができていた。


言うまでもなく、野次馬の目的はゆりりんである。


下は中学生から上はサラリーマンのおじさんまで年齢層も幅広い。


杖をついたおじいさんの姿も見える。


ゆりりんの人気の凄さがうかがえる。


ゆりりんは晴れ女なのか、取材にもってこいのピーカンだった。


ほたるも優奈に誘われ、ソフトボール部の練習をのぞくことにした。


ディレクター、カメラマン、音声スタッフ、ADに囲まれたゆりりんが顧問の杉崎洋子にマイクを向けるところだった。


運動部のレポートに合わせてだろう。


ゆりりんも淡いピンクのナイキウエアにパンツルックというスポーティないでたち。


栗色の髪はクルンクルンに巻かれていた。


「顧問の杉崎先生に伺います!
生徒と触れ合って嬉しいな~と感じるのはどんなときですか!?」


「あのー、そのー、えーっと、やっぱり、そのー、あのー、ええー・・・」


杉崎はガチガチに緊張してるようだ。


焦点があってないし、顔も真っ青。


まったく答えというものになってない。



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