パーフェクトティーチャー
「氷室先生がソフトボール部の顧問をされてきていちばーん嬉しいのはどんなときですか? ウフ」


「えっ?
あのー、ボク、ソフトボール部とは何の関係もありませんけど・・・
人違いじゃないでしょうか」


すぐにディレクターが割って入り、


「そこでですねー、ソフトボール部の顧問としてではなく、この学校の一教師としてのご意見を述べてください」と注文を出した。


「ゆりりんもそのつもりで質問してね」


自社のアナウンサーを「ゆりりん」などと呼んで持ち上げるディレクターにほたるはむかっ腹が立った。


何がゆりりんだ。


いい歳してバカじゃないだろうか。


すっぴんで勝負できない年のくせに。


この厚化粧星人が。


ほたるが口から猛毒を吐く。


ゆりりんは確実に氷室に対して色目を使っていた。


体を密着させ、相手がどうしていいか困るほど、延々と見つめ続ける。


女を武器にのし上がるタイプの典型である。


隕石が落下してあの女にあたればいいのに。


あるいは、鳥の大群がやってきて、同時に糞をひり、あの女の頭に落ちればいいのに。


ほたるは心の底から本気でそう思った。




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