パーフェクトティーチャー
これ以上ないというほど真っ青な顔で


「すみません。
当たっちゃいましたか?」と弁解する氷室に、


「先生、私、おててが痛い。
お願い。
『痛いの痛いのとんでけー』ってやさしくやって・・・」とゆりりんが幼児のように甘えた。


全生徒が口あんぐりだった。


「なんだこの低レベルな女は?」


「ウサギ系とかリス系とかネットではいわれているけど、脳みその重量のことなのか?」


「この一年のうちに地獄に落ちてほしいね」


「箱詰めにして無人島に送り込みたい」


などと、ひそひそ耳打ちし合う。


氷室を狙っているのは明らかだった。


ほたるは激しく地団太を踏んだ。


氷室が策略にはまらないか、不安が募るからだ。


そんなグランドでの修羅場をじっと眺めているのは何も生徒ばかりではなかった。


理事長の里中順子と校長の武田洋平もしっかり観察していた。




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