パーフェクトティーチャー
「あらあら。
アンタったら、傘もささずに外を歩いてるのかい?
バカな子だねえ。
そのうち風邪ひくよ。
よかったらお入りなさいよ」


駅前の繁華街をさまよってると、黒いマントにとんがり帽子を被った中年女がほたるを手招きした。


立てかけた看板には・・・
『占いの小部屋』と書いてあった。


「・・・」


ほたるが躊躇してると


「遠慮しなくていいから入りなさいよ」としつこくすすめるので、ほたるはその言葉に甘えることにした。


雨に濡れるよりはマシだ。


「アンタあれかい?
お母さんとケンカでもしたのかい?」


「なんでわかるんですか!?」


「アンタの顔見りゃわかるよ、それくらい。
かわいいその顔にそう書いてあるもの」


「へえ。占い師って本当にすごいんですねー。
まるで超能力者みたい」


「ハハハ。
占い師や超能力者じゃなくても、その暗い顔を見りゃ誰でもわかるわよ」



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