パーフェクトティーチャー
「じゃあ聞くけど、何で今は入学希望者が急増したの?
来年の入試の倍率、私たちの時よりもうんと高いんでしょ?」


ほたるが尋ねると、あおいはバカにした顔で答えた。


「決まってるじゃん。
氷室先生がいるからだよ」


「やっぱりそうか。
氷室先生、大、大、大人気だもんね」


「パパの知り合いのテレビプロデューサーがいってたって。
今度、『熱中大陸』で氷室先生が特集されるかもしれないってさ」


「へー、それはすごい。
そしたらうちの学校じゃ視聴率100%だね」


「そうだね。
何年か前にY校の先生も『熱中大陸』に出たことがあるんだ。
私その番組たまたま見たけど、氷室先生のほうが百万倍格好いい」


あおいは目を輝かせる。


うっとりとした眼差しを中空に向けている。



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