パーフェクトティーチャー
「落ち着けるわけがないでしょうが!」


理事長が咆哮をあげた。


「連日連夜、借金取りに追われてるっていうのにさー。
私、どうしたらいいのよ・・・」


とうとう理事長は机につっぷして泣き出してしまった。


悲惨極まりない光景である。


「どうか理事長、泣く前に私の話を聞いてください」


武田がやさしく肩をたたいた。


「どんな話よ。
何かいい秘策でも思いついたっていうの?」


理事長が顔をあげる。


見事に涙で厚化粧の半分が崩れ落ちていた。


その異様な光景に後ずさりしつつも、武田は仕事と割り切り、覚悟を決めて口を開いた。


「Y校のカリスマ教師は人間ではありません」


「じゃあ何なのよ。
ロボットだっていいたいの?」


「ええ。おっしゃる通りでございます。
正真正銘のロボットなのですよ」


「まさか・・・」


「そのまさかなんですよ!」


武田は誇らしげにそういうと、別の紙の束を差し出した。



< 6 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop