パーフェクトティーチャー
「あのう氷室先生。
少しだけよろしいかしらねー」


真奈美は氷室のすぐそばに立つと、背伸びをした。


そして、氷室の耳元に淡いピンクのルージュを引いた口元を近づける。


何事かとみながじろじろ見ている。


しかし真奈美は周囲の目なんてお構いなしだ。


「実は私ね、今度のドラマで教師の役をやるのよ」


「へええ。
教師役ですか!
それは楽しみですねー」


「でもね・・・
役作りのイメージがどうもわかなくて・・・。
そこでご相談なんですけど・・・
氷室先生に是非アドバイスをいただきたいのよねー」


「どうでしょう・・・
ボクなんかがお役に立てるかどうか・・・」


「氷室先生ならきっと大丈夫よ。
そんな気がするの」


真奈美が根拠のない自信をのぞかせる。



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