パーフェクトティーチャー
「し、し、し、失礼よ!
デート中に雑誌を広げるなんて。
初めてだわ。
こんなひどい仕打ち!」


そう言って真奈美がナプキンを全力で投げつける。


間髪を入れずにほたるが言い返した。


「デート!?
今デートとおっしゃいましたよね?
これってデートなんですか?
失礼ですけど、おたくは女優の黒田真奈美さんですよね?
ご結婚されていて、お子さんもいますよね。
ご主人とはおしどり夫婦と報じられていますよね。
確か去年の『いい夫婦の日』には、それ関係で受賞してましたよね?
それなのにいいんですか?
不倫なんかしちゃってマジでいいんですか?
よくないと思うけどなー。
不倫なんて。
ご主人もお子さんも泣きますよ。
これを知ったら」


「さっきから聞いてれば図に乗りやがって・・・
アンタは一体何者なのよ!」


そう叫ぶ女優は鬼そのものだった。


いやいや。


そんな表現は甘っちょろい。


鬼だって逃げ出してしまいそうなほど恐ろしい形相だった。


この世のものとは思えない不気味過ぎるオーラを全身から放射している。





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