パーフェクトティーチャー
「あのなよなよ先生、二丁目でいったい何をしてたのよ?」


「それはそれは、楽しそうにお酒を飲んでおられましたよ」


「ちなみに・・・
どんな格好で?」


「もちろんピンクのワンピースです」


「何がもちろんよ」


里中が吐き捨てる。


「もう一度聞くわ。
それって本当に山上先生だったの?」


「はい」


「見見間違いってことはないの?」


「ええ。
残念ながら。
この目で確かめましたから間違いはございません」


趣味・趣向はそれぞれ自由である。


他人にとやかく言われる筋合いはどこにもない。


彼らも教師のプライベートに口を挟むつもりは毛頭なかった。


ただ、学校経営に関わるとなったら話は別である。


小さな火種がとりかえしのつかない大惨事を引き起こすのは世の常である。


それを未然に防ぐのが管理する立場の役割だ。



< 93 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop