Marius−マリウス−前編
人影もまばらなバーで一人、カウンターで飲んでいるゴーシンの姿があった。
「珍しいな、小僧」
六十代らしき男がゴーシンの隣に座った。
「…まだ飲む元気があってなによりです。トニーセン様」
「ふん、お前も嫌味を言うようになったか、ゴーシン」
「ええ、お蔭様で。トニーセン様に鍛えて頂いて、大分大人になりました」
「様は、やめてくれ。もうお前の上司じゃないんだ」
「はっ」
「珍しいな、小僧」
六十代らしき男がゴーシンの隣に座った。
「…まだ飲む元気があってなによりです。トニーセン様」
「ふん、お前も嫌味を言うようになったか、ゴーシン」
「ええ、お蔭様で。トニーセン様に鍛えて頂いて、大分大人になりました」
「様は、やめてくれ。もうお前の上司じゃないんだ」
「はっ」