Marius−マリウス−前編
「お、初めて反応しおったな。その地球がどおした?」
ゴーシンは、トニーセンから目を逸らし、落ち着きを取り戻すようにグラスの酒を一口飲んだ。
「…」
「…まぁ、言わんでもいい」
トニーセンもゆっくり酒を飲んだ。
「なあ、ゴーシン」
「…はい」
「これからは、俺の独り言だ。だからお前は返事はしなくていい」
「…」
「あの日以来、マリウスは狂っちまった。もう、昔のマリウスに戻る事はないだろう」
「…」
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