Marius−マリウス−前編
ケンペクトが一人待つ王の間に、最初に姿を現したのは、ゴーシンだった。
「来たか、ゴーシン」
「はっ」
「タイエンテとツービオは、来ると思うか?」
「…必ず」
ゴーシンがそう告げた時、扉が開き、タイエンテとツービオが入って来た。二人はケンペクトたちの所まで進み、頭を下げた。
「よく来てくれたな」
と、優しい微笑みでケンペクトが二人を見た。
「はっ」
「はっ」
ゴーシンが二人の肩を力強く掴んで、二人の顔を見つめて頷いた。二人もしっかりとゴーシンの顔を見つめて頷き返した。