Marius−マリウス−前編
「さっきも言ったけど、病人を病院へ運んだところで、きっと無駄だ」
「無駄とか言うなよっ」
その時、二人の横を通り過ぎた男性が、ほどなくバタッと倒れた。
「っ!大丈夫ですかっ!」
タイエンテとツービオは、その男性を抱き起こした。
「…」
顔色が悪く痩せたその男性は、何が言おうと口を動かしていたが、気を失ってしまった。
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