百鬼夜行の主
気狐の話が終わると、私は立ち上がり地面に刺していた刀を抜いた。
瞬間、百鬼たちの動揺が一気に増した。
『主様…!?』
鬼灯の声が聞こえる。私は近くに転がっていた鞘を掴み、刀を納めた。
『気狐、お前の復讐は終わっていないが…殺す気があるのなら俺とともに百鬼の一部とならないか?』
気狐の目が大きく見開かれた。
『ふざけやがって…俺に同情する気か!?』
私は首を横に振った。そして、微笑む。
『俺の父さんの罪だったら、その罪滅ぼしがしたい。父さんは俺が生まれてすぐ死んでいる。だから、お前と一緒にいて罪滅ぼしがしたい。ダメか?』
私は気狐へ手を伸ばす。瞬間、気狐から敵意のようなものが消えた。
気狐が盛大に舌打ちをする。私は小さく苦笑した。