百鬼夜行の主
「なぁ、鬼李の娘。訊きたいことがある」
アイスを食べながら、気狐が私に問いかける。
「お前、いつからあの百鬼夜行の主をやっているんだ?」
「いつからって…4年前の夏から」
私はアイスをかじりながら答える。
「お前、なんでそんなに短い時間であそこまで百鬼の心を掴んだんだ?」
「こっちが聞きたい」といいかけたが言葉は喉で詰まった。
「…正直、私にも分かんない。けど…いつの間にか皆が私についてきてくれたんだ…」
「そうか」と一言呟き、気狐はアイスの棒をゴミ箱に捨てた。
「俺にはそう言うのはなかったから、羨ましいぜ。そう言うの」
気狐が寂しそうに微笑む。
「あんたには、敵の百鬼夜行に加わってもついてきてくれる仲間がいる。それだけでいいんじゃない?」
私はアイスの棒をゴミ箱に入れ、気狐の頭を撫でた。
「…そうだな」
気狐は静かに微笑み、私の前から姿を消した。