【完結】俺様吸血鬼(バンパイア)に恋しました。
「っ………」
ただただ声を押し殺すことしかできなくて、くちびるを噛みしめるしかなかった。
お願い、桜木、早く来て………。
そう祈ることしかできない。
そして足音がどんどん、こっちに近づいてくる。
ヤバイ………!そう思った時だった。
「真琴………!?」
「………っ、桜木?」
そこにいたのは、ずっと待っていた、あたしが来てほしい人。
守り抜いてみせる。そう言ってくれた人。
「………っ、真琴、大丈夫か?ケガは?」
「ううん………大丈夫」
「そっか。よかった………遅くなって、ごめんな?」
桜木はそう言って、優しくあたしを抱きしめた。
そのぬくもりは温かくて、とても優しかった。