【完結】俺様吸血鬼(バンパイア)に恋しました。
「真琴、大丈夫か……?」
最近はつわりがひどすぎて、なにもできなくなってしまった。
横になっていることも、しんどくて……。
「っ……ん……ちょっと、しんどいかも……」
「ムリしなくていい。休んでろ」
桜木は、優しい目と優しい声でそう言ってくれた。
……こんなにも、つわりがひどいものだなんて思わなかった。
でも妊娠するって、本当に奇跡だと思う。
今あたしのなかに起きている、小さな奇跡が、何よりも生きている証拠。
あたしがこの子のために、何でもしたいって思うのは、きっとあたしの中にある小さな母親としての希望が、あるからなんだと。
お母さんは、そう言っていた。