KISS

「オッケーしたのかも・・・」


放課後、桜の部活が終わるのを待つ龍とはちあわせ。


いきなり、そんなことを言ってしまった。


いつもならシカトするようなあたしのぼやきを、何故か聞いていて。


「弱気だな」


「弱気にもなりますよ」


「なんか、調子狂う・・・」


ってそれはあたしが言いたい。


「なんで今日は話聞いてくれるの?」


「単に暇だから。」


・・・そうですか。


「嘘」


龍は読んでいる小説に目を落としたまま、言った。


「お前、ここ最近マジでつらそうだから、桜が心配してた」
< 11 / 170 >

この作品をシェア

pagetop