KISS
「オッケーしたのかも・・・」
放課後、桜の部活が終わるのを待つ龍とはちあわせ。
いきなり、そんなことを言ってしまった。
いつもならシカトするようなあたしのぼやきを、何故か聞いていて。
「弱気だな」
「弱気にもなりますよ」
「なんか、調子狂う・・・」
ってそれはあたしが言いたい。
「なんで今日は話聞いてくれるの?」
「単に暇だから。」
・・・そうですか。
「嘘」
龍は読んでいる小説に目を落としたまま、言った。
「お前、ここ最近マジでつらそうだから、桜が心配してた」