KISS

そして電話を切った。


陸ちゃんとのことは関係ない。


最初から上手くなんていかないだろうって思ってた。


あたしと巧は、幼なじみ。


そのラインを飛ぶことは出来ない。


あたしはもう一度携帯を手にして、電話をかけた。


プルルル・・・


『・・・ん』


久しぶりに聞く、懐かしい声。


「今どこー?」


『学生は勉強してるはずの時間帯ですが』


まあいいや。


どこ行けばいいの?


そう言って電話相手は笑った。


「いつもの場所」


『・・・たく坊と何かあった?』


「・・・んー」


さすがに見抜かれてる、と苦笑してしまった。
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