KISS

10分後、黒のワイシャツに黒のジーパン姿の長身の人物があたしの前に立つ。


「久しぶり、陽ちゃん」


「・・・俺が帰って来てなかったらどうするつもりだった訳?」


呆れたようにあたしを見る陽ちゃんは、見ない間にまた身長が伸びていた。


「・・・まだ伸びてるの?」


あたしの2つも年上なくせに。


「ん、髪も伸びたでショ」


金髪の髪はポニーテールにされているだけ。


首元にはいかついアクセが光る。


「陽ちゃん、変わんないね。昔と変わらずかっこいいまま」


本音のまま言うと、ものすごくしかめっつらをされた。


「やめろって。一応これでも一・・・」


陽ちゃんが言いかけたときだった。


「・・・えみ?」


・・・そっか。


この場所、知ってたもんね。
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