KISS

あたしの家の前に着いて、あたしは陽ちゃんの車から降りた。


「いつまでこっちにいるの?」


「ん、長いよ。8月末まで」


窓から顔を出して、陽ちゃんはニヤリと笑った。


「色々準備があるからね」


「準備?」


「ん。・・・じゃあ帰るわ」


大丈夫か、と心配そうに問いかける陽ちゃんに笑いかけた。


「うん」


大丈夫だよ。


ちゃんと聞かなきゃ、前に進めないよね?


だから・・・、傷ついてもいい、ちゃんと聞こう。


巧と陸ちゃんの関係を。


「なんかあったら連絡しろよ」


あたしに陽ちゃんも笑いかけた。
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