KISS
陽ちゃんと別れたあと、あたしは巧と歩きながら呟いた。
「なんか淋しいな」
陽ちゃん、結婚しちゃうんだ。
素直に良かったって思う反面、心のどこかで行かないでって考える自分がいる。
「なんかさ、変わらないものってないのかなー」
思わすため息をもらすと、巧からデコピンをくらう。
「陽のためだろ」
あたしは額を押さえて頷いた。
そうだ、陽ちゃんのため。
そう考えたら、なんだか大丈夫な気持ちだった。
子供を育てたりとか、家事とか、きっと大変だろう。
だけど、陽ちゃんなら出来るよ。
陽ちゃん、おめでとう一・・・