KISS
「陽さんて、語学留学で海外行ってるんだろ」
「うん。・・・って」
まさか、龍?
「俺、高2に上がったら、語学留学でカナダに行こうと思ってる」
カシャーンッ!
突然の物音、振り向くと桜の姿。
桜の足元には零れた飲み物とコップの破片が散らばっている。
「あ、・・・」
桜が無理に笑みを浮かべ、ごめんなさいと謝って破片をひろいだした。
「桜、破片で怪我しちゃうから。あたし、誰か呼んでくる」
「ううん、えみちい。大丈夫」
ふるふると頑なに首を振る桜は、明らかに取り乱していた。
「桜」