KISS

ピピピピピピ・・・


朝を告げる目覚ましの音。


「・・・」


ぱしっと止めて、ゆっくりと起き上がる。


・・・懐かしい夢。


巧に初めて会ったときの夢。


「・・・着替えよ」


そのとき違和感に気づいた。


・・・・腰・・・・・・・に手?


ぐいっ


「は?!」


後ろから羽交い締めのように抱きしめられ、息が苦しくなる。


この熱い手は。



「たっ、なっ・・・こっ!!?」


訳・巧、何でここにいるの!!?


「もう少しねかせろよ・・・今日土曜なんだし」


そのままあたしまでベッドに引きずり込む。


「じゃなくて!!なんでここにいるのっ」


引きはがそうとしても離れない。


ちょっ・・・本当に限界・・・っ!


「固いこと言うなよ、小さい頃はよく一緒に寝てたろ」


・・・ぶちっ


あたしの中で、何かがキレた。
< 17 / 170 >

この作品をシェア

pagetop