KISS

そう叫んだあとにしまった!って思った。


自ら自爆してどうするんだ自分。


いつの間にか教室はものすごい静寂に包まれている。


キーンコーンカーンコーン・・・


ナイスタイミングで鳴るチャイム。


「ほら何やってんだー、席着けっ」


いつもは遅れてくるくせに、今日に限って遅刻してない学級担任。


巧がいつまでもあたしを睨んでいて、あたしは動けないまま。


「雪宮と月島!早く着席しろ」


先生の一声に、巧はようやく諦めたように席に着いた。


だけど席に着く前に、しっかりこう呟くのを忘れずに。


「放課後、お前んち行くから」


・・・周囲に聞こえなかったことだけが、不幸中の幸い?
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