KISS

ところ変わって男性陣は何をしているかと言うと。


「また俺の勝ち」


「・・・龍、お前相当なゲーマーだろコノヤロー」


・・・巧の家で、ゲームに熱中していた。


「巧、よく告白とかしたなー」


「ブッ!」


「コーヒー吐くなよ」


「急に話振るなよ!」


龍は巧をシカトして話を続ける。


「手ェ出せなかったんじゃないっけ?」


巧はゲームの電源をきりながら、黙り込んでいた。


わずかな沈黙のあと、口を開く。


「・・・・・・我慢できなくなった」


ずっと欲しくて、でも手に入れたらめちゃくちゃにしてしまいそうで。


それでも我慢できなかったんだ。


「まあ、だろーね」


龍もその言葉に頷く。
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