KISS

コントロール


突然だが、世の中の高校には必ずと言っていいほど、<部活動>というものが存在する。


「そういう訳だから、月島さん。バレー部に入らない?」


「文章繋がってませんが。」


「やだー、月島さんはバスケ部に入るんだよねっ」


「いや、もう6月だから部活勧誘の時期とかじゃないんですけど」


・・・言うまでもない話だけど、あたしは部活に属していない。


何故なら。


「えみにはチームプレーは無理だな」


龍が早弁用のおにぎりを口にしながらぼそりと呟く。


「中学のときは個人競技の陸上部だったし♪」


にっこりと微笑んで横から口を挟むのは桜。


「うるさいよ外野」


「えみちい、一緒に華道しようよ〜」


「桜も勧誘しないで!」


ひとしきりツッコミを入れたあと、あたしは勧誘に来た先輩たちの方に振り向いた。
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