KISS
「雪宮ー、月島ー」
校長室から間延びした声で呼ばれ、巧と顔を見合わせてから中に入った。
そこには、少し日に焼けた少年がひとり立っていた。
パッと見た感じでは誰か分からないけれど、この雰囲気・・・
「分からないかな、4年ぶりくらいだし」
その少年は淋しそうに苦笑した。
「巧とはよく喧嘩してましたけどね、えみのことで」
その一言で隣にいた巧が、「あ」と大きな声を出した。
「お前、もしかして」
あたしは少年の側にあったラケットを見て思い出す。
「あーーーーっ!!!!」
も、もしかして。
「まさか・・・、
海くん!?」