KISS
「えみも子供じゃないんだから、いつまでも世話焼かなくていいんですよ?お兄さん」
その言葉に巧が眉を潜めた。
・・・今の言葉、なんか刺あったよね?
大丈夫か、このふたり。
はらはらしながら巧と海くんの顔を交互に見つめる。
「子供じゃねーよ」
巧が口元ににっこり笑みを浮かべながら、あたしを後ろから羽交い締めするかのようにギュッと抱きすくめた。
「えみは俺のカノジョさん」
・・・・・・巧サン、今このタイミングで言いますか普通。
ここ校長室!
しかも担任いるから!!
校長もいるから!!
つーか校長楽しそうに見てんなよコノヤロー!!
あたしは呆れて何も言えない。
さすがの海くんも驚いた表情を浮かべている。