KISS
休み時間に入り、意を決して聞いてみることにした。
『陸ちゃんと何かあったの?』
それだけ聞けばいいんだ自分!
巧に声をかけようとした。
ガラッ
教室の扉が開く。
「巧・・・っ」
あたしの前をキャラメル色が通り過ぎる。
陸ちゃんが涙目で巧に近寄った。
「陸?」
「あたし・・・もう嫌!」
巧の胸にふわりと入り込む。
巧は陸ちゃんに触れもせず、黙っているだけ。
「クラスの子から叩かれた・・・っ」
そう言って泣きじゃくる陸ちゃんの頬はなるほど、少し腫れていた。
「あたし、巧と付き合ってるって言っただけなのに!」
・・・はあ!?