KISS

「り、陸ちゃんは・・・」


「動揺してたし保健室に連れていきました」


海くんの指先が、目尻に触れる。


「・・・えみ、笑って」


ふわっと優しく微笑む海くんを見て、泣きそうになった。


「俺は、えみの笑った顔が好きなんですから」


好き・・・?


おずおずと笑顔になると、海くんはくすぐったいような笑みを浮かべた。


「そう、その笑顔」


海くんの指先があたしの頬に触れた。


「好きです」


・・・え?


「・・・お迎えがきましたね」


振り向くと、巧が立っていた。
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