KISS
ずっと好きだった。
でもあたしは<幼なじみ>としか見てもらえないだろうって諦めていた。
巧の隣に立つ女の子を諦めながらもうらやましく感じていた。
そのときから、ホントは苦しくて。
でも言ったら嫌われそうで。
上手く、感情を抑える術を知らない。
「巧のことしか好きにならないよ」
ごめんね、重いって思うよね。
「・・・ん」
巧が一瞬顔を歪めて、あたしの唇を奪った。
遠くで聞こえるチャイムの音が、授業開始を告げる。
「・・・っん」
長い長い口づけに、苦しくなる。
だけど今は離れたくない。