KISS
言えない想いを絡めたまま、世界は廻りつづける。
ただ、あたしは巧が差し出す手に自分の手を重ねる。
熱い温度を感じれば、巧がそこにいる証。
このまま、ずっと腕の中に閉じ込めてくれればいいのに・・・、と切に思う。
そんなの無理って分かっていても。
「えみ」
でも今は、巧があたしを呼んで笑ってくれるから。
どんなに苦しくても大丈夫。
そんな気がした。
少しの不安をまだ胸に秘めているけれど・・・。