夏の君を
なんだったんだろう。今の恭弥。



すごく…怖かった。


「アカリちゃん、どう?」



「今はだめだよ。夏大近いんだから。」



「アカリちゃんはいつだってそうだよ。野球野球って、野球と人間どっちが好きなの?」



荒木くんは半ば呆れてあたしに問う。


「野球」



「わかったわかった。じゃあ夏大終わったらまた告白しなおすよ。だけど最後にこれだけは言わせて。
甲子園連れてってやるからな。」




…その言葉はズルい。



反則だよ。


「うん。連れてってね」




「よし、じゃあまた明日練習きてね!じゃあ!」




嵐が去るってまさにこのことだな。
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