夏の君を
家が隣で、幼なじみだった恭弥は、テレビで甲子園を見るたびにあたしに言った。


『俺が高校生になったら、ぜってぇー甲子園連れてってやっかんな!』


って。


あたしは、それから恭弥を応援した。


恭弥も、少年野球、シニア、高校と、今まで野球漬けで頑張ってきた。



二人とも、『甲子園』という夢のために。


決して付き合っているとか、そういう関係ではないけど、あたしは恭弥のことをわかっているとは思っている。



夜遅くまで素振りしてたり、家で筋トレしてたり、
みんなが見えないところで頑張ってる恭弥の姿をあたしは知ってる。
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