夏の君を
ある日のことだった。


遠征に行っていた野球部がバスに乗って帰ってきた。


あたしは、テストの点数が悪くて、追試だったので、せっかくの日曜なのに学校にきていた。





野球部のバスが見えたので、少し近づくと気のせいか顔が青い朝倉先生に呼ばれた。


「お前、ちょっとあいつ起こしてこい。」


指差されたのはバスの中。

荷物を出している部員達もみな、顔が青い。



あたしは不思議に思いながらもバスに乗ると、おとなしく寝ている子が一人。




――秋吉くんだった。
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