夏の君を
「今年は甲子園行けるかもしれないって地域の人たちが噂してる。お前はどう思う?」



部員達はキャッチボールをしている。



「わかりませんね。あたしは絶対行くと思いますけど。」


暑い日差しの中、きらきらした汗を流しながら頑張る部員達。


「甲子園に行けたら、お前にスコアを書いてもらってもいいか?」


今までとくに強くもなく、他のスポーツが盛んなこの高校は、野球部の人気があまりなく、マネージャーはいなかった。


「でも…」



「ベンチには華があるほうが部員達にもいいだろう?」


浅倉先生はニコッと笑った。




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