夏の君を

練習と雨と

いつもの朝。
あたしは一人で登校する。


恭弥は朝練で、朝の五時にはもう学校についている。


あと1週間。
この1週間も、毎日通うつもり。



「おっす」



学校に着くと丁度朝練を終えたばかりのエース、荒木くんがいた。


「おはよう。」


恭弥のバッテリーで、優しくて、球速も速くいい人なんだけど…


「アカリちゃん今日もかわいいね〜!今日も練習くるでしょ?」


ちょっと軽い。



ま、野球してるときはすごく真面目でかっこいいんだけど。


「行くよー。荒木くん今日も頑張ってね!」


「うん!」


そしてそのまま教室に向かおうとした時、すれ違い様に荒木くんがつぶやいた。

「アカリちゃん、俺にしなよ。」



「え?」


振り替えると荒木くんはにっこり笑って「ジョーダン」と言った。



…やっぱりちょっと苦手かも。
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