『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
その後も彼女が寝返りを打つ度、
気になって気になって…中々寝付けない。
やっとの想いで寝付いたはずが、
緊張のせいか、眠りが浅いせいなのか…
いつもより早くに目が覚めてしまった。
はぁぁぁ~~……情けなさすぎる。
隣りで眠る彼女は気持ち良さそうにスヤスヤと。
目が覚めた事だし、起きるとするか。
軽く着替えてリビングへ行くと、
彼女の姉貴が仕事をしていた。
ウチの姉貴同様、徹夜か…?
「早いね?」
「ん?……まぁ…」
俺の存在に気付いた弥生さんは、
パソコンを打ちながら話し掛けて来た。
「葵と一緒だと寝れない?」
「………」
朝から何を言い出すんだ?
俺は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し口を付けると…
「あの子、可愛いから食べちゃいたいでしょ?」
「ブォッッッ……」
思わず口に入れかけた水を吹出してしまった。