『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
7 爆弾投下
≪潤side≫
とある日の夕方。
勉強に煮詰まった俺は、
気分転換にジョギングをしようと
部屋を出た瞬間――――、
廊下で携帯で話す姉貴とすれ違った。
部屋の中まで漏れて来た姉貴の声。
何やら出版社の人と揉めてる様子。
こういう時の姉貴は1番危険。
要注意人物、危険信号、劇物取扱注意。
イライラして何を言い出すか分かったもんじゃねぇ。
俺はその場から逃げるように玄関へと。
ipodで音楽を聴きながら、
ジョギング用のスニーカーを履いていると、
――――――――トントンッ。
何者かに肩を叩かれた。
背後からただならぬ空気が漂って来る。
ヤバッ……。
俺は音楽を聴いている事をいいことに
気付かぬふりをして玄関のドアノブに手を掛けた。
その瞬間―――――!!