『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
いつもいつも彼女の隣りで
ゆっくりぐっすり寝れないし。
日頃の鬱憤を晴らすべく、俺は…。
「今日は旅行に来てんだし、たまには羽を伸ばしたら?それに後は寝るだけだし……な?」
「えっ……でも……」
「いいから……ほら!!」
俺は半ば無理やり彼女にお猪口を持たせ、
「どうぞ、葵様」
俺は優しく微笑んで、日本酒を注ぐ。
無言の圧力。
すると―――――、
「じゃあ、ちょっとだけ…」
そう言って、お猪口に口を付けた。
「んッ!!美味しい!!コレ、甘いね?何て言うお酒?」
「桂川」
「凄く甘くて飲みやすい」
「だよな?俺もそう思った。日本酒なのに凄い甘いよな?」
「うん」
彼女は小さな口で美味しそうに飲み始めた。
お銚子3本が空けた頃、
「潤くん、写真撮ろうよ」
「あっ、そうだったな。カメラ取って来る」
俺は部屋へカメラを取りに行き、
内庭へ戻ると……