『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


夏休みが明け、後期の授業が始まった。


授業と言っても基本は“実習”

9月の第二月曜日から

地元の中学校での実習が…。



毎日、予習、復習、プリント作りにレポート作成。

する事は山のようにあって、日々の生活に追われていた。


慌ただしい生活の中で、

唯一、ゆっくり時間が流れるのは

彼と同じ空間で寝る時だけ。

何故か、隣りに潤くんがいると言うだけで癒される。



私って、ホント馬鹿だよね。

報われない恋だって分かってるのに

どんどん好きになって行く自分がいる。


朝、目が覚めると必ず潤くんの腕の中。

この心地いいぬくもりが私の活力。

過酷な実習もこのぬくもりさえあれば乗り切れる。


この彼の腕に抱かれる時間が

もっともっと長く続けばいいのに…。


毎日、そんな風に思いながらも

彼に気持ちが悟られないように

名残惜しいけれど、

彼が起きないうちに…

そっと彼の腕の中から抜け出して…。


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