『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
そんな日が続いて2カ月がたったある日。
夕食を食べていると、楓さんが私と潤くんに…。
「今週の土曜日の夜、空けておいてくれる?」
突然、そう告げて来た。
潤くんが“何かあるの?”と訊き返すと
「編集長さんから高級ホテルのお食事券を貰ったの」
えっ?高級ホテルのお食事券?!
楓さんは私とお姉ちゃんと潤くんを誘って
“4人で行こう”と言ってくれた。
ホントに私も行っていいのかなぁ?
高級ホテルで食事だなんて夢みたい。
それに、そんな所に着て行けるような
ちゃんとした洋服、持って無い。
お姉ちゃんに借りようかなぁ…。
一応、恥かしいけど訊いてみよう。
「あの、高級ホテルでお食事って、どんな恰好を?」
「あっ、それなら大丈夫。私のを貸してあげるから」
「ホントですか?はぁ…良かったぁ。私、畏まった服持って無くて」
「大丈夫、大丈夫」
楓さんはにこやかに頷いてる。
楽しみだなぁ……お食事会。
私は胸を高鳴らせていた。